水産資源の再生産の場でもある
水田と水路

 三方五湖の周囲には、かつては低湿地であった平地が分布しており、ここでは水田稲作が営まれています。特に、三方湖、菅湖、久々子湖の周囲には水田が湖の周囲に接するように広がっています。

 これらの水田は、コメの収穫を得る農地である一方、春季になると、フナ、コイ、ナマズなどが湖から農業用の水路を溯上し、繁殖の場として魚類に利用されています。また、一部の水田においては、水田の田面にまで溯上しています。水田・水路は、水深が浅く、ミジンコをはじめとするプランクトンが多く生息し、水温が魚類の生息に程よく高くなることなどから魚類の繁殖に適した環境を備えています。水田・水路は、いわば、魚類のゆりかごとなっています。

三方湖と周辺里地里山との関係
三方湖と周辺里地里山との関係

 特に、フナやコイについては三方湖や水月湖・菅湖における主要な漁業資源であり、水田稲作は、水産資源の再生産の場としても位置づけられています。

 また、平成25年より、地域内の水稲農家は全員がエコファーマーに認定されています。農薬や化学肥料の低減に努めており、環境に配慮した稲作を行うことで、魚類の繁殖にも配慮した稲作となっています。

湖とつながる水田
湖とつながる水田
水田で産卵するフナ
水田で産卵するフナ